スライム

ＰＶＡ粉末と硼砂で作るスライム。

　定量的に性質を調べたい場合はＰＶＡから作りましょう。（高校生以上？）

基準スライム？

  1. 注意すること
    　使用する硼砂は有毒で食べると中毒します、また目に入ると角膜を損傷します。必ず保護めがねをかけて実験をしてください。またＰＶＡの粉末からはじめる場合もＰＶＡは吸水してはりつきますので目に入ると危険です。
    　    小学生以下の子供に実験させる場合は成人指導者か保護者を十分確保してください。
    　
  2. 買ってくるもの
    • ＰＶＡ(ポリ酢酸ビニール) 500gで1600円くらい？
    • 硼砂(Na2B4O7・10H2O)硼酸ナトリウム
    • 紙コップ１個＋作成するスライムの数
    • 割り箸
      　
  3. 準備するもの
    • ビーカー(500ml)
    • メジャーカップ(50mlcc)
    • マグネチックスターラー・・・・なくてもよい
    • マントルヒーター・・・・・・・なくてもよい
    • 温度調節器・・・・・・・・・・なくてもよい
    • 水
    • 密封できる容器(保存に使用します。)
    • 食酢(衣服についたとき洗うために使用します。)
      　
　硼砂の毒性と中毒処理
ＰＶＡ
ポリビニルアルコール
polyvinilalcohol

　

硼砂 Na2B4O7･10H2O
４硼酸ナトリウム
Sodium Tetraborate

　

食酢 CH3COOH
酢酸
acetic acid

手順１　準備(材料の調製)

Ａ溶液の調整（ＰＶＡ水溶液）

    　６０℃〜７０℃に温めた水３６０mlに、ＰＶＣの粉末４０ｇをかき混ぜながら加え、マグネトックスターラーで１時間以上、できれば２時間程度、温度を８０℃以下に保ちながら攪拌します。
    　加温装置や攪拌装置がない場合は、気温にもよりますが、最低でも２時間かかかります。その間、底のねばい部分を時々かき混ぜてください。
    　いずれもかき混ぜたときに不均一なにごりが見られるときは溶けきっていません。かき混ぜてもまったく透明なままになるまで溶かす。これに温水を加えて、４００mlになるように調製します。
    　上部にねばい固形物のような物が浮く場合がありますがこれは捨ててください。（１０％）

    　できあがったＰＶＡ溶液(１０％)４０mlを水で１００mlに薄めてＡ液をつくる（４％）

    【家庭で】
    　保温用のプレートを使って加熱すると簡単です。５００mlのビーカーに、湯を入れてそれに計量したＰＶＡ粉末を少しずつ加えしばらく攪拌します。 その後は、時々底によどんでいるＰＶＡをかき混ぜながら溶かしていきます。かき混ぜないときは突沸を防ぐため突沸を防ぐためプレートのスイッチを切っておくこと。

　ここで濃いめ（ＰＶＡ4０g/200ml = 20wv%）に作っておいて、実際に使用する前に薄めて使うと、色々な濃度で性質を確かめられます。
　化学教室でおこなう場合は、できればＰＶＡの粉末から調製してください。なによりも濃度による差が検証できますから・・・
【拡張】
　"おきまり"の方法で作ったら、その配合から各原料の重量比を算出して、配合比や方法を変えて試してみましょう。

Ｂ溶液の調整（硼砂液）

    　１００cc程度のぬるま湯に、硼砂４ｇを少しずつ加えて良くかき混ぜます。これを溶けなくなるまで続けて室温まで冷ましておきます。(４％)

    　スライムを着色するときはあらかじめ色素をごく少量(耳かきいっぱい程度)を水に加えて溶かしておくこと。
ＰＶＡから

　ＰＶＡ粉末から作る場合は、マグネットスターラーなどでかき混ぜながら、ＰＶＡを加えたのち数時間攪拌を続ける。
　高校以上で厳密に濃度を決めて研究するときは、ＰＶＡ粉末から行ないましょう。
硼砂が手に入らないとき

　硼砂が手に入らない場合は硼酸から調製します。
　硼酸４ｇを１００mlの水に溶かしこれに水酸化ナトリウム１ｇを加えます。

手順２　反応

    　Ａ(ＰＶＡ水溶液)１００mlにＢ(硼砂溶液)１０mlを加える。

    　しばらく攪拌すると割り箸に"からみつく"状態になるので、とにかくかき混ぜつづける。

    　全体が固まったら、しばらく静置して一塊になったら割り箸でゆっくり回しながら手のひらに取り出し(紙や布の上に取り出さない)、よくねりあわせる。

【指導にあたって】

　せっかくＰＶＡの粉末からおこなうのなら、きちんと考えながら実験しましょう。
　ＰＶＡ粉末からの実験の場合は、ＰＶＡの濃度が確定しますからそれを元に考えさせましょう。
　使用した材料（ＰＶＡ,硼砂,水）の個別の重量から、できあがったスライムの性質との関連を調べさせてみましょう。スライムの性質としてその流動性と弾性を取り上げると良いと思います。
　また弾性については右のような方法などが考えられます。

　流動性を調べるには下のような測定器を作ってみましょう。

　また、他のの高分子素材(木工ボンド・・酢酸ビニル)を使ってみるのもおもしろいでしょう。

私の考察の過程はこちらにあります。
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Magnetism Slime