スーパー輪投げ(7)

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考察

なぜ遠くまで飛ぶのか

最初にも書いたように、紙で作った飛行物体が遠くへ飛ぶためには、姿勢が終始安定していること、揚力があること、空気抵抗が少ないことなどの条件をクリアする必要があります。競技用の紙飛行機はその代表です。

しかし、この３つの条件をクリアするためには、紙工作はそもそも人が乗るものでないので、飛行機の形をまねる必要はまったくないわけです。

安定した飛行のためには

ブーメランやジャイロゴマ(地球ゴマ)のように回転している物体は姿勢が安定しています。

揚力があること

揚力がないと自由落下してしまう。フリスビーのように揚力があればよい

空気抵抗が少ないこと

空気抵抗は進行方向から見た断面積が小さく。翼に当たる部分の面積も小さいほうが良い。

長時間、安定して回るわけ

右利きの人が投げた場合はこのように飛行する。

質量も回転数も同じ円形の物体であっても質量の大部分が円周部分に集中しているドーナツ型のほうがモーメントが大きく、大きな角運動量を持っているため安定して長時間回転を続けられます。

安定して回転し続けるためには、この輪のように質量が円周部分に集中しているほうが、同じような回転する飛行体のフリスビーよりも有利です。

揚力があるわけ

この輪の断面を見るとへの字の形をしています。このような形は空気（流体）中を移動すると、飛行機の翼と同じように揚力を発生します。揚力の現れる詳しい理由は他に譲ります。

空気抵抗も小さい

空気抵抗は進行方向から見たときの面積だけでなく、その面積も小さいほうが空気抵抗は小さくなります。飛行機の翼で言うとアスペクト比がとても大きな翼を持っているため、空気抵抗の小さく揚力の大きな翼を持っているようなものです。これが回転しているため張力によって本来は強度がたりない大きなアスペクト比を保てます。

理想的な飛行体

この形状は、長時間・長距離安定して飛ぶための３つの条件、すなわち「姿勢が終始安定していること」、「揚力があること」、「空気抵抗が少ないこと」を満足する理想的な形をしているといえます。

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